【2023年最新】建設業の個人事業主が使える助成金5選

「若手のキャリアを伸ばしたい!」
「設備投資を行いたい」
そんな課題を抱える建設業を営む個人事業主さまにぴったりの助成金があります!
設備投資や賃上げ、女性を雇用場合などに使える最新の助成金をご紹介します。

目次

【建設業が使える助成金(1)】業務改善助成金

「業務改善助成金」は、生産性を向上させ、「事業場内で最も低い賃金」の引上げを実行する中小企業・小規模事業者を支援する制度です。

「最低賃金に追いつきそうな従業員がいる」「作業の効率化など生産性向上のための取り組みをしたい」という建設業者の方におすすめの助成金です。

※生産性……1人当たりが生み出す付加価値のこと

申請の主な条件

事業場内最低賃金を引き上げ、設備投資を行った建設業が「業務改善助成金」に申請できます。​

申請対象になるのは「これから行う場合」で、すでに行った場合は申請できません。

※建設事業主

「建設の事業」の雇用保険料率の適用を受ける建設事業主のことです。

 

助成対象になる建設業者

以下3つの該当する必要があります。

 

  • 中小企業・小規模事業者であること
  • 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が30円以内であること
  • 解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと

 

また次の条件に当てはまる建設業である必要があります。

 

  • 常時使用する企業全体の労働者数が300 人以下

申請手順

大まかな流れは「申請→設備投資・賃上げの実施→受給」です。​

(1) 35歳未満の方または女性のトライアル雇用の開始


(2) (1)から14日以内に「一般トライアルコース」または「障害者トライアルコース」のトライアル雇用実施計画書を提出


(3) トライアル雇用の終了


(4) (3)から2か月以内に「一般トライアルコース」または「障害者トライアルコース」と「若年・女性建設労働者トライアルコース」の支給申請書を同時に提出


(5) (4)の支給決定

受給額

以下2つを比べて安い方が受給金額となります。

・生産性向上に資する設備投資などにかかった費用×助成率

・助成上限額

 

助成率は事業場内最低賃金によって、助成上限額は賃上げ額と賃金を引き上げた労働者の数によって異なります。

たとえば、「事業場内最低賃金870円未満の場合の助成率は9/10」など、助成率は決められています。

 

詳しくは、パンフレットの1・2ページをご覧ください。

以下コラムでも具体的な計算方法についても解説しています。

助成対象となるもの

具体例

実施内容
導入の効果
経営コンサルタントによる社員教育および社内研修の実施を行った
経営コンサルタントによる社員教育、社内研修を実施した結果、スキルアップによる作業内容の改善と作業員の意識改善により、労働能率を改善することができた
業務用機器の購入
作業時間を短縮でき、品質も均一化できた

申請期限

令和6年1月31日まで

申請は令和5年10月までに済ませるのがおすすめ!

申請期限は令和6年1月31日までですが、10月に最低賃金が改定になるので、9月中に賃上げした方がよく、交付申請に約1か月かかるので8月中に交付申請するのが理想です。(10月に交付申請しても間に合いません)

最低賃金が上がると、「業務改善助成金」のハードルも一緒に上がるからです。

もし、最低賃金の改定以後(令和5年10月以後)に賃金を引き上げた場合、改定後の最低賃金額から申請コース区分ごとに定める引上げ額以上引き上げる必要があります。

つまり、法で定められている最低賃金以上の状態からスタートして30円引き上げる必要があります。

令和5年10月以前に賃上げする場合

東京支店Aさん……時給1090円

東京都の最低賃金……1072円(2023年8月24日時点)

Aさんの時給1090円から30円以上引き上げて1120円にすれば要件を満たします。

令和5年10月以後に賃上げする場合

東京支店Aさん……時給1090円→1120円

東京都の最低賃金……1113円(令和5年10月1日時点の改定見込み額)

​Aさんの賃金を30円引き上げたとしても、引き上げ時点の東京都の最低賃金の1113円から30円以上の引き上げになりません。

そのためAさんの賃金は、東京都の最低賃金1113 円から30円以上引き上げて、1143 円以上にする必要があります。


上記2つの例を比べると、事業主は令和5年10月以前に賃上げした方が賃金を支払う負担が軽くなることが分かります。

【建設業が使える助成金(2)】「トライアル雇用助成金 若年・女性建設労働者トライアルコース」

「トライアル雇用助成金 若年・女性建設労働者トライアルコース」は、現場作業で35歳未満の方や女性を雇い入れたいときに使える助成金です。(「トライアル雇用助成金」という助成金の中のひとつのコースです)​

高齢化・人手不足に悩む建設業者さまにおすすめです。

このコースは通常のトライアル雇用の上乗せの助成金となります。​

申請の主な条件

「トライアル雇用助成金」の次のどちらかのコースの支給決定を受けた事業のみが「若年・女性建設労働者トライアルコース」に申請できます。​
  • 「一般トライアルコース」
  • 「障害者トライアルコース」

「一般トライアルコース」は、職業経験の不足などから就職が難しい方を原則3か月間雇い、無期雇用へ移行するものです。

「障害者トライアルコース」は、障害者を原則3か月間雇い、継続雇用するものです。

助成対象になる建設業者

以下どちらも満たす必要があります。

 

  • 中小建設事業主
  • 雇用管理責任者を専任している

※中小建設事業主

以下2つの条件を満たす必要があります。

  • 「建設の事業」 の雇用保険料率の適用を受ける建設事業主
  • 資本金の額もしくは出資の総額が3億円以下、または常時雇用する労働者数が300人以下の建設事業主

 

申請手順

大まかな流れは「トライアル雇用実施→申請→受給」です。

2つの支給申請書を提出する点にご注意ください。

(1) 35歳未満の方または女性のトライアル雇用の開始


(2) (1)から14日以内に「一般トライアルコース」または「障害者トライアルコース」のトライアル雇用実施計画書を提出


(3) トライアル雇用の終了


(4) (3)から2か月以内に「一般トライアルコース」または「障害者トライアルコース」と「若年・女性建設労働者トライアルコース」の支給申請書を同時に提出


(5) (4)の支給決定

受給額

若年・女性建設労働者1人につき月に最大4万円×3か月(最大)

「最大4万円」となっているのは、就労した日数等により減額となる場合があるからです。
たとえば、支給対象者が1か月間に就労を予定していた日数のうち、実際に75%以上就労した場合は満額の4万円になります。

25%未満だと1万円、1日も就労しなかった場合は不支給となります。

詳しい減額のルールなどは、パンフレットの5ページをご覧ください。

【建設業が使える助成金(3)】「人材確保等支援助成金 若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース」

インターンシップや優良な女性労働者に対する表彰制度などを最大1年間行う建築事業者が使える補助金です。

社会保険労務士等に対するコンサルティング料や講習等に使用する教科書代など幅広い経費が補助されます。

申請の主な条件

研修の実施や表彰制度の設置など定められた7つの事業を最大1年間行うこと。

7つの事業の具体的な内容についてはパンフレットの7ページをご覧ください。

助成対象になる建設業者

以下をすべて満たす必要があります。

  • 建設事業主
  • 雇用管理責任者を選任している
  • 「若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業」を実施する

※建設事業主

「建設の事業」の雇用保険料率の適用を受ける建設事業主のことです。

 

※若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業

「建設事業の役割や魅力を伝え、理解を促進するための啓発活動等に関する事業」など7つの定められた事業のことです。

実施期間は最大1年間です。

申請手順

大まかな流れは「事業計画などを提出→事業実施→申請→受給」です。

事業を実施してから支給申請をする点に注意してください。

(1) 事業を実施しようとする日の原則2か月前までに、事業計画などの必要書類一式を主たる事業所の所在地を管轄する労働局に提出

(2) 支給申請

(3) 支給決定

以下をすべて満たす必要があります。

  • 建設事業主
  • 雇用管理責任者を選任している
  • 「若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業」を実施する

受給額

中小建設事業主……対象経費の3/5

中小建設事業主以外……対象経費の9/20

賃金要件を満たした場合には、さらに対象経費3/20が支給されます。

経費等助成と賃金向上助成を足した支給上限額は200万円です。

※賃金向上助成

雇用する全ての建設労働者の毎月決まって支払われる賃金を、支給対象事業終了日の翌日から起算して1年以内に、5%以上増加させ、建設労働者に支払っていること。

【建設業が使える助成金(4)】「人材確保等支援助成金 作業員宿舎等設置助成コース
女性専用作業員施設設置経費助成」

「人材確保等支援助成金 作業員宿舎等設置助成コース 女性専用作業員施設設置経費助成」(以下、「女性専用作業員施設設置経費助成」)は、女性専用の作業員施設(トイレや更衣室)を賃借するときに使える助成金です。

このような女性専用の設備を整えることで、女性の作業員を呼び込むことができます。

申請の主な条件

中小元方建設事業主が施工管理を行う工事現場で作業等を行う女性の建設労働者専用の作業員施設(トイレ、更衣室、シャワー室、浴室)を賃借した建築業者であること

助成対象になる建設業者

以下すべて満たす必要があります。

  • 中小建設事業主
  • 雇用管理責任者を専任している
  • 自ら施工管理する建設工事現場に女性専用の作業員施設を賃借により整備する

申請手順

大まかな流れは「計画届を提出→事業実施→申請書を提出→受給」です。

(1) 事業実施しようとする日の2週間前までに「計画届」を、管轄する労働局に提出

(2) 事業の実施

(3) 事業の終了

(4) 支給申請書の提出

(5) 助成金の支給

受給額

助成額 = 対象経費 × 3/5
1事業年度あたり60万円が上限です。

経費助成の支給決定を受け、以下の賃金要件を満たし、雇用する全ての建設労働者の毎月決まって支払われる賃金を、支給対象事業終了日の翌日から起算して1年以内に、5%以上増加させ、建設労働者に支払っていること。(賃金向上助成と言います)

【建設業が使える助成金(5)】「人材開発支援助成金 人材育成支援コース」

「人材開発支援助成金 人材育成支援コース」は、職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を助成します。

たとえば、訓練期間中の従業員の所定労働時間内の賃金や、部外の講師への謝金などが助成の対象になります。

「従業員のキャリア形成や能力アップさせ生産効率を上げたい」とお考えの建設事業者さまにおすすめの補助金です。

このコースは実施する訓練の内容によって以下3種類に分かれており、助成額もそれぞれ異なります。

 

  • 人材育成訓練
  • 認定実習併用職業訓練
  • 有期実習型訓練

申請の主な条件

(1) 社内の職業能力開発推進者の選任、社内の事業内職業能力開発計画の策定を行う

(2) 訓練開始日から起算して1か月前までに「職業訓練実施計画届」等を各都道府県労働局へ提出

(3) 訓練の実施等

(4) 支給申請書の提出

(5) 助成金の支給決定または不支給決定

助成対象になる建設業者

訓練の対象者や訓練の内容によって助成対象となる事業主の条件は異なりますが、すべてに共通するものは「雇用保険適用事業所の事業主であること」です。

「職業能力開発推進者を選任していること」という条件がある場合もあります。

※職業能力開発推進者

社内で職業能力開発の取組みを推進するキーパーソンのことです。

具体的には、

・事業内職業能力開発計画の作成・実施

・職業能力開発に関する労働者への相談・指導 などを行います。

 

申請手順

大まかな流れは「計画届を提出→訓練の実施→申請書を提出→受給」です。

(1) 事業実施しようとする日の2週間前までに「計画届」を、管轄する労働局に提出

(2) 事業の実施

(3) 事業の終了

(4) 支給申請書の提出

(5) 助成金の支給

受給額

受給額は経費助成+賃金助成+OJT実施助成で計算されます。

助成率は支給対象となる訓練によって異なり、賃金要件または資格等手当要件を満たす場合には助成率が高くなります。

以下、賃金要件または資格等手当要件を満たさない場合の助成率と受給額です。

詳細はパンフレットの28ページをご覧ください。

支給対象となる訓練の種類
経費助成
賃金助成
(1人1時間当たり)
OJT実施助成
(1人1コース当たり)
人材育成訓練
最大70%
760円
———
認定実習併用職業訓練
最大45%
760円
最大45%
有期実習型訓練
最大70%
760円
最大10万円
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