新型コロナウイルスの感染拡大から、2年という月日が経ちました。
2年経った現在も最大感染者数を更新しており、「第6波」を迎えています。
この2年間、全世界で多くの人が新型コロナウイルスの影響を受け、これまでとは全く異なった新しい生活様式が求められています。
そんな中、新型コロナウイルスの影響を支援する補助金・助成金や、あたらしい生活様式、あたらしい経済社会に対応する事業者を支援する補助金・助成金が多数創設されています。
今回は、新型コロナウイルスの影響を受けている事業者を対象とした補助金・助成金のご紹介をしていきます。
目次
1.事業再構築補助金
事業再構築補助金は、新型コロナウイルスの影響を受けて売上が減少している事業者が、今後のウィズコロナ・ポストコロナ社会に対応できる“事業再構築”を支援する目的で創設された補助金です。
新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換、または事業再編という思い切った事業再構築を試みる際に必要な経費にかかる費用をなんと最大1億円補助してもらえます。
現在公募中である第5回公募までは補助額最大1億円でしたが、2022年では、第6回公募以降「グリーン成長枠」が新設される予定で、補助額が1.5億円まで引上げられます。
・新分野展開とは……主たる業種や事業を変更せずに、新しい製品の製造や、新しい商品、サービスを提供することで、新たな市場に進出すること。
・業態転換とは……今まで行っていた商品やサービスそのものは変えずに、製品などの製造方法の変更や、商品やサービスの提供方法を変更すること。
・事業転換とは……新たな製品の製造や、新たな商品、サービスを提供することにより、主たる業種を変更せずに、主たる事業を変更すること。
・業種転換とは……新たな製品の製造、新たな商品、サービスを提供することにより、主たる業種を変更すること。
・事業再編とは……会社法上の組織再編行為などを行い、新たな事業形態のもとに、新分野展開、事業転換、業種転換または業態転換のいずれかを行うこと。
※組織再編とは「合併」「会社分割」「株式交換」「株式移転」または「事業譲渡」などを行うことをいう。
対象者は?
事業再構築補助金の対象となるには、第一に、新型コロナウイルスの影響を受けていることが前提となります。
それから、新分野展開、事業・業種転換、事業再編またはこれらの取組を通じた規模の拡大などの事業再構築のための取組みをする中小企業者(個人事業主含む)、中堅企業などが対象となります。
補助額・補助率
第5回公募の補助額・補助率
現在公募中の第5回公募までの補助額は、全体の補助上限額は中小企業者(個人事業主含む)・中堅企業等ともに最大1億円です。
くわしい補助額・補助上限額については以下の表をご覧ください。
申請類型 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
通常枠 | 中小企業者等、中小企業等ともに 【従業員数20人以下】100万円~4,000万円 【従業員数21~50人】100万円~6,000万円 【従業員数51人以上】100万円~8,000万円 | 中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2) 中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3) |
大規模賃金引上枠 | 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員数101人以上】8,000万円超~1億円 | 中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2) 中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3) |
卒業枠 | 中小企業者等:6,000万円超 ~ 1億円
| 中小企業者等 2/3 |
グローバルV字回復枠 | 中堅企業等:8,000万円超 ~ 1億円
| 中堅企業等 1/2 |
緊急事態宣言特別枠
| 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員数5人以下】 100 万円 ~ 500 万円 【従業員数6~20 人】100 万円 ~ 1,000 万円 【従業員数21人以上】100万円 ~ 1,500万円 | 中小企業者等 3/4 中堅企業等 2/3 |
最低賃金枠 | 中小企業者等、中堅企業等ともに 【従業員数5人以下】 100 万円 ~ 500 万円 【従業員数6~20 人】100 万円 ~ 1,000 万円 【従業員数21人以上】100万円 ~ 1,500万円 | 中小企業者等 3/4 中堅企業等 2/3 |
第6回公募以降(予定)
2022年の事業再構築補助金は、成長昨年の補正予算成立の際にも発表された情報によると、グリーン分野での事業再構築を行う事業者が対象の「グリーン成長枠」が創設され、最大補助額が1.5億円まで引上げが行われるとのことです。
2022年度で改新する事業再構築補助金のくわしい補助額・補助率は以下のとおりです。
申請類型 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
最低賃金枠 (最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい事業者に対する支援) | 500万円、1,000万円、
1,500万円 | 中小3/4 中堅2/3 |
回復・再生応援枠 (引き続き業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者に対する支援) | ||
通常枠 (事業再構築に取り組む事業者に対する支援) | 2,000万円、4,000万円、
6,000万円、8,000万円
| 中小2/3
中堅1/2
|
大規模賃金引上枠 (多くの従業員を雇用しながら、継続的な賃金引上げに取り組むとともに、従業員を増やして生産性を向上させる事業者に対する支援) | 1億円 | |
グリーン成長枠 (研究開発・技術開発又は人材育成を⾏いながら、グリーン成長戦略「実⾏計画」14分野の課題の解決に資する取組を⾏う事業者に対する支援) | 中小1億円、中堅1.5億円 | 中小1/2
中堅1/3
|
株式会社リアリゼイションは、事業再構築補助金の申請サポートおよび申請に必要な作業の代行を行っています。
ささいな疑問から代行のお問い合わせまで、ご相談は以下のフォームよりご送信ください!
2.ものづくり補助金 低感染リスク型ビジネス枠
「ものづくり補助金」は、中小企業等による生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金です。
ものづくり補助金の「低感染リスク型ビジネス枠」は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け2021年に新設されました。
対象者は今後のコロナ社会に対応したビジネスモデルに転換する事業者で、補助対象経費全般が以下のいずれかに当てはまる必要があります。
-
・物理的な対人接触を減じることに資する革新的な製品・サービスの開発
(例:AI・IoT等の技術を活用した遠隔操作や自動制御等の機能を有する製品開発(部品開発を含む)、オンラインビジネスへの転換等) -
・物理的な対人接触を減じる製品・システムを購入した生産プロセス・サービス提供方法の改善
(例:ロボットシステムの導入によるプロセス改善、複数の店舗や施設に遠隔でサービスを提供するオペレーションセンターの構築等) -
・ウィズコロナ、ポストコロナに対応したビジネスモデルへの抜本的な転換に係わる設備・システム投資
(キャッシュレス端末や自動精算機、空調設備、検温機器など、ビジネスモデルの転換に対して大きな寄与が見込まれない機器の購入は、原則として、補助対象経費とならない)
ものづくり補助金は、令和3年度補正予算の成立を前提に、10次締切より、見直し・拡充を予定しています。
これにともない、新特別枠(低感染リスク型ビジネス枠)は、2022年2月8日締切の9次締切をもって終了します。
10次締切以降は、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を目的とし、コロナ下によりデジタル化が急速に進んでいる社会の変化の兆しに対応するための枠や、業状が厳しい事業者に対応するための枠など、新たな枠が複数創設されます。
新設予定の枠
回復型賃上げ・雇用拡大枠
業況が厳しい事業者(※1)に対して、賃上げ・雇用拡大に取り組むための生産性向上を支援する申請類型を新設し、補助率を2/3に引上げ
デジタル枠
コロナ下により急速に進むデジタル化に対応するため、DX(デジタル・トランスフォーメーション)に資する革新的な製品・サービスの開発やデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善等を行う事業者を対象に、補助率を2/3に引き上げ
グリーン枠
温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービスの開発や炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善等を行う事業者を対象に、補助上限額最大2,000万円、補助率2/3を補助。
補助上限額
限られた政策資源で、最低賃金引上げを含めた賃上げの原資となる付加価値を創出する事業者を支援するため、これまで一律1,000万円としていた通常枠の補助上限額を従業員の規模に応じて補助上限額が見直しされました。
従業員数21人以上:1,250万円、6~20人:1,000万円、5人以下:750万円となります。
補助上限額・補助率 | |||
---|---|---|---|
従業員規模 | 補助上限金額 | 補助率 | |
第9回締切まで | 第10回締切以降 | ||
5人以下 | 1,000万円 | 750万円以内 | 【中小企業】1/2以内 【小規模事業者、再生事業者】2/3以内 |
6人~20人 | 1,000万円以内 | ||
21人以上 | 1,250万円以内 |
株式会社リアリゼイションは、ものづくり補助金の申請サポートおよび申請に必要な作業の代行を行っています。
ささいな疑問から代行のお問い合わせまで、ご相談は以下のフォームよりご送信ください!
ものづくり補助金の申請内容・詳細については以下公式サイトをご覧ください。
3.小規模事業者持続化補助金 低感染リスク型ビジネス枠
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者などが今後直面する制度変更などに対応するために取り組む販路開拓などに必要な経費の一部を補助してもらえる補助金です。
2021年にコロナウイルスの影響を受けた事業者を対象とし、新設された特別枠が「低感染リスク型ビジネス枠」です。
小規模事業者持続化補助金の低感染リスク型ビジネス枠は、小規模事業者が“新型コロナウイルス感染防止”と“事業継続”の両立をさせるため、対人接触機会の減少が行える投資を行う際に支援してもらえます。
通常枠の補助上限額が50万円のところ、特別枠である低感染リスク型ビジネス枠は、補助上限額が100万円まで引き上げられます。
今年度の低感染リスク型ビジネス枠は現在公募中の第6回が最終回となり、申請締め切りは2022年3月9日(水)となっています。
小規模事業者持続化補助金では、令和3年度補正予算の成立を前提に今後申請要件等の見直し・拡充を予定しています。
令和4年度は、販路開拓に加え、賃上げや事業規模の拡大、創業や後継ぎ候補者の新たな取組、インボイス発⾏事業者への転換といった環境変化に関する取組を支援する枠が新たに設けられます。
現在新設が予定されている枠は、
- 成長・分配強化枠
- 新陳代謝枠
- インボイス枠
の3つです。
『成長・分配強化枠』『新陳代謝枠』については、最大補助額がこれまでの特別枠の2倍である200万円となります。
小規模事業者持続化補助金についてくわしくは以下の公式サイトをご覧ください。
株式会社リアリゼイションは、小規模事業者持続化補助金の申請サポートおよび申請に必要な作業の代行を行っています。
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4.雇用調整助成金 新型コロナ特例措置
「雇用調整助成金」は、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、雇用の維持を図るための休業手当に要した費用を助成する制度です。
従業員の失業の予防や雇用の安定を図ることを目的としており、事業主が一時的な雇用調整(休業、教育訓練または出向)を実施することによって、従業員の雇用を維持した場合に助成されます。
現在は、昨年に引き続き新型コロナウイルスの緊急対応期間となっており、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者は雇用調整助成金の対象の要件の緩和や、支給額の上限や助成率の引き上げが行われています。
これを新型コロナウイルス対応の「特例措置」といいます。
この特例措置は、令和2年4月1日から令和4年3月31日までの期間を1日でもふくむ賃金締切期間が対象です。
受給の要件
雇用調整助成金の新型コロナウイルス感染症に伴う『特例措置』では、多くの事業主が対象となるよう、通常の要件よりもかなり要件が緩和されています。
『特例措置』の要件は、以下のとおりとなっています。
- 1.新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化し、事業活動が縮小している
- 2.最近1か月間の売上高または生産量などが前年同月比5%以上減少している ※比較対象とする月についても、柔軟な取り扱いとする特例措置があります。
- 3.労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている
助成対象となる労働者
雇用調整助成金の対象となる労働者は、事業主に雇用された雇用保険被保険者です。
※学生アルバイトなど、雇用保険被保険者以外の方に対する休業手当は、「緊急雇用安定助成金」の助成対象となります。
雇用調整助成金の特例措置について、助成額などさらにくわしい内容は、以下の記事をご覧ください。
雇用調整助成金・特例措置の申請内容や詳細については、厚生労働省の公式ページをご覧ください。
5.トライアル雇用助成金 「新型コロナウイルス感染症対応(or短時間)トライアルコース」
トライアル雇用助成金の新型コロナウイルス感染症対応トライアルコースおよび、新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコースは、新型コロナウイルス感染症の影響で離職(シフトが減少した場合もふくむ)し、これまで経験のない職業に就くことを希望している方を、無期雇用へ移行することが目的とされています。
原則3か月間、試行雇用した事業主に対して助成されます。
労働者の適性や能力を見極め、それらを確認したうえで無期雇用へ移行することができるため、ミスマッチを防ぐことができます。
対象者
助成対象者は、以下のいずれも実施した事業主です。
- 1.ハローワーク・職業紹介事業者等にトライアル雇用求人を提出すること。
- 2.ハローワーク・職業紹介事業者等の紹介により、次のすべての要件を満たす方を試行雇用すること。
-
・令和2年1月24日以降に、新型コロナウイルス感染症の影響により離職した
・紹介日時点で、離職している期間が3か月を超えている
・紹介日において、就労経験のない職業に就くことを希望している
※「離職」にはシフト制労働者等のシフトが減少した場合等も含みます。
助成額
新型コロナウイルス感染症対応トライアルコースおよび新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコースの助成額はそれぞれ以下のとおりです。
新型コロナウイルス感染症対応トライアルコース
※求職者が〈常用雇用〉(一週間の所定労働時間が30時間以上の無期雇用)を希望する場合
→ 対象者1人当たり、月額4万円(最長3か月間)
新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコース
※求職者が〈常用雇用(短時間労働)〉(一週間の所定労働時間が20時間以上30時間未満の無期雇用)を希望する場合
→ 対象者1人当たり、月額2.5万円(最長3か月間)
トライアル雇用助成金の新型コロナウイルス感染症対応トライアルコースおよび、新型コロナウイルス感染症対応短時間トライアルコースについての申請内容や詳細などは以下厚生労働省の公式ページをご覧ください。
6.新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金
新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金は、令和3年8月1日から令和4年3月31日までの間に、子どもの世話を保護者として行うことが必要となった労働者に対し、有給(賃金全額支給)の休暇(労働基準法上の年次有給休暇を除く)を取得させた事業主を支援します。
対象者
対象者は、以下の子どもの世話をしている労働者に有給休暇を取得させた事業者です。
- 1.新型コロナウイルス感染症に関する対応として、ガイドラインなどにもとづき、臨時休業などをした小学校など(保育所等を含みます)に通う子ども
- 2.新型コロナウイルスに感染した子どもなど、小学校などを休む必要がある子ども
対象となる休暇取得期間
令和3年8月1日から令和4年3月31日まで
申請期限
申請期限は休暇取得期間により異なります。くわしくは以下をご覧ください。
・令和3年8月1日~10月31日:令和3年12月27日(月)締切
・令和3年11月1日~12月31日:令和4年2月28日(月)締切
・令和4年1月1日~3月31日:令和4年5月31日(火)締切
助成額
助成額は、有給休暇を取得した対象労働者に支払った賃金相当額×10/10となります。
助成上限額など、くわしい内容は以下の表をご覧ください。
休暇取得期間 | 日額上限額 |
---|---|
令和3年8月1日~10月31日 | 13,500円 |
令和3年11月1日~12月31日 | 13,500円 |
令和4年1月1日~3月31日 | 令和4年1~2月:11,000円 令和4年3月:9,000円 |
新型コロナウイルス感染症による小学校休業等対応助成金について、くわしくは厚生労働省の公式ページをご覧ください。
まとめ
今回は、新型コロナウイルスの影響を受けた事業者を対象とした補助金や助成金のご紹介をしました。
今後も、本コラムにて、さまざまな補助金・助成金のご紹介をしていきます。