年が明け、コロナとの闘いも2年目を迎えました。
このコロナ禍でサービス業をはじめ、さまざまな業界が打撃を受け、未だ回復の兆しが見えない状態が続いています。
売上減少を理由に廃業を考えている事業主さまも多いでしょう。
そんなとき、ぜひ活用していただきたいのが事業復活支援金です!
本コラムでは、事業復活支援金の申請方法や給付額等を紹介します。
コロナ禍の売上減少を救う事業復活支援金とは?
事業復活支援金は、コロナの影響で売上減少に苦しむ個人事業主を救済する目的で設立された制度です。
目的:
事業の継続・回復を目的とします。
支援対象者:
新型コロナウイルスの影響で2018年11月~2021年3月までの間の任意の同じ月の売上高と比較して50%以上または30%~50%未満減少した事業者(中堅・中小・小規模事業者、フリーランスを含む個人事業主)です。
申請方法:
目次
Web上での申請「電子申請」を基本としますが、自身で電子申請を行うことが困難な方のために「申請サポート会場」が設けられます。
「申請サポート会場」について解説した「【事業復活支援金】申請サポート会場はどこ?「関東(東京都)」もあわせてご覧ください。
給付方法:
申請者の銀行口座に入金されます。
実際に給付を行うのは中小企業庁から委託を受けたデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社です。
デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社については、「【事業者公募の結果】事業復活支援金の事務局はデロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社に決定!」をご覧ください。
給付額:
2022年3月までの見通しを立てられるよう、対象となる事業主に、地域・業種を問わず固定費負担の支援として5か月分の売上高減少額を基準に算定した額を一括給付します。
金額については後ほど説明します。
窓口:
問い合わせや相談の窓口は、デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社です。
申請者はこちらと電話やチャット等でやり取りをします。
窓口時間は土日祝含めて毎日8:30~19:00です。
※2022年1月13日時点の情報です。
申請時期:
未定です。
中小企業庁が発表した実施計画書によると、事業復活支援金の事業は2022年3月31日までとなっています。
また、370万件の申請が想定され、一日20万件の入金ができる体制が目指されています。
終了日まで全ての入金を済ませるには、少なくとも2022年3月15日までには開始されていなければなりません。
そのため、恐らく2月中には受付が始まると思われます。
申請から振り込みまでの時間:
基本的には申請受付から約2週間で入金されると想定されます。
「審査完了後、原則2営業日以内」のということなので、かなり早い段階で給付金が受け取れる可能性があります。
ただし、申請書類に不備があった場合や、申請に不備がなくても一部の特例を利用した場合は、給付に時間がかかることがあります。
事業復活支援金と持続化給付金との違いは売上減少率!
持続化給付金と事業復活支援金はともにコロナで売上が減少した個人事業主が支援対象です。
この2つは売上減少率に違いがあります。
支援対象者 | |
---|---|
持続化給付金 | 前年同月比の売上げが50%以上減少した中小法人等、個人事業者 |
事業復活支援金 | 新型コロナウイルスの影響で2018年11月~2021年3月までの間の任意の同じ月の売上高と比較して50%以上または30%~50%未満減少した事業者 |
このように事業復活支援金では売上減少率が緩和されました。
売上減少率が50%に届かず持続化給付金に申請できなかった人にもチャンスがあるかもしれません!
「コロナの影響による売上減少」はどうやって証明する?
事業復活支援金は、売上減少の理由がコロナでない場合は申請できません。
万一この条件に該当しないにもかかわらず申請すると不正受給になります。
持続化給付金でも不正受給は大きな問題になりましたね。
事業復活支援金では不正受給に対する対策が強化されると考えられます。
想定される不正受給に対する措置:
- 給付額の金額に不正受給の翌日から返還の日まで、年3%の割合で算定した延納金に加え、これらの合計額にその2割に相当する額に加えた額の返還請求
- 申請者の屋号・雅号・氏名等を公開
- 不正の内容が悪質な場合は刑事告発
事業復活支援金の場合、「コロナの影響で売上減少」という表現が使われており、どのような場合に「コロナの影響を受けた」と言えるのか明確な基準が設けられていません。
自分が申請対象にあたるのか不安な方は、受付窓口で相談してみるとよいでしょう。
ちなみに、同じくコロナ禍で売上減少に陥った事業者を救済する目的で設けられた一時支援金では、「緊急事態宣言に伴う飲食店時短営業または外出自粛等の影響を受けていること」と、やや具体的な表現が使われています。
事業復活支援金申請の上限額は売上減少率によって変動する!
事業復活支援金の上限額は、売上減少率(法人の場合は売上減少率と年間売上高)で決まります。
売上高減少率 | 個人 | 法人 | 年間売上高
1億円以下※ | 年間売上高
1億円超-5億円※ | 年間売上高
5億円※ |
---|---|---|---|---|
▲50%以上 | 50 万円 | 100 万円 | 150 万円 | 250 万円 |
▲30%~50%未満 | 30 万円 | 60 万円 | 90 万円 | 150 万円 |
※基準月(2018年11月~2021年3月の間で、対象月を判断するため売上高の比較に用いた月)を含む事業年度の年間売上高
上記の表の上限額を超えない範囲で、「基準期間の売上高」と「対象月の売上高」に5をかけた額との差額が給付額です。
(基準期間の売上高)―(対象月の売上高×5)=給付額
基準期間:
以下のいずれかの期間のうち、対象月を判断するため売上高の比較に用いた月(基準月)を含む期間です。
3つの期間のうち、「最も売上高が大きかった期間を基準期間」として選びます。
- 2018年11月~2019年3月
- 2019年11月~2020年3月
- 2020年11月~2021年3月
対象月:
2021年11月~2022年3月のいずれかの月のうち、基準期間の同月と比較して売上が50%以上または30%~50%未満減少した申請に用いる月です。
上限額:
売上高減少率 | 個人 | 法人 | 年間売上高
1億円以下※ | 年間売上高
1億円超-5億円※ | 年間売上高
5億円※ |
---|---|---|---|---|
▲50%以上 | 50 万円 | 100 万円 | 150 万円 | 250 万円 |
▲30%~50%未満 | 30 万円 | 60 万円 | 90 万円 | 150 万円 |
【具体例あり】売上減少率の計算方法は?
事業復活支援金に申請した場合の給付額をシュミレーションしてみます。
※以下の例は個人事業主の場合です。
(1)基準期間の売上高を計算する
次の3つの期間の中から基準期間を選びます。
- 2018年11月~2019年3月
- 2019年11月~2020年3月
- 2020年11月~2021年3月
たとえば、次の場合、
2018年11月 | 2018年12月 | 2019年1月 | 2019年2月 | 2019年3月 | 100万円 | 100万円 | 100万円 | 100万円 | 100万円 |
---|
一番売上が大きかったのは2018年11月~2019年3月の場合、この期間が基準期間になります。
次に基準期間の売上高を計算します。
「2018年11月の売上+2018年12月の売上+2019年1月の売上+2019年2月の売上+2019年3月の売上=基準期間の売上高」
100万円+100万円+100万円+100万円+100万円=500万円
基準期間の売上高は500万円です。
(2)対象月の売上高を計算する
対象月は、2021年11月~2022年3月のいずれかの月のうち、基準期間の同月(基準月)と比較して売上が50%以上または30%~50%未満減少した月です。
たとえば、以下のような場合、
2021年11月 | 2021年12月 | 2022年1月 | 2022年2月 | 2022年3月 | 90万円 | 80万円 | 40万円 | 80万円 | 85万円 |
---|
2022年1月は、基準期間(2018年11月~2019年3月)の基準月(2019年1月)の売上高と比べて60%売上が減少しているので申請可能です。
そのため、2022年1月が対象月となります。
他の月の減少率は30%以下なので申請対象外となり対象月に選べません。
40万円×5=200万円
対象月の売上高は200万円です。
(3)給付額を計算する
(基準期間の売上高)―(対象月の売上高×5)=給付額
500万円-200万円=300万円
給付額は300万円です。
売上高減少率は50%以上なので上限額の50万円が給付されます。
売上減少率の算出を誤ると給付金がゼロになることも!
事業復活支援金は、指定した基準期間と対象月によって売上減少率が決まります。
どの期間を基準期間や対象月にすれば有利な結果になるのかを、慎重に比較することが大切です。
これを誤ると、申請できなかったり、本来もらえる金額より少なくなったりする可能性があります。
たとえば、先ほどの例で考えてみましょう。
2021年11月 | 2021年12月 | 2022年1月 | 2022年2月 | 2022年3月 | 60万円 | 70万円 | 40万円 | 80万円 | 50万円 |
---|
対象月として選ぶべきなのは「一番売り上げが減った月」である2022年1月ですが、誤って2022年2月を選んだとします。
すると、対象月の売上高は、
80万円×5=400万円
売上減少率は、
400÷500=0.8
売上減少率は20%となり、申請できなくなってしまいます。
このように同じ申請者でも売上減少率の算出を誤ると給付金がもらえません。
売上減少を証明できる申請書類の提出が必要
以下が事業復活支援金に必要と想定される書類です。
特に売上減少を証明する(1)と(2)が重要です。
- (1) 確定申告書
- (2) 対象月の売上高が記載された売上台帳
- (3) 本人確認書類の写し
- (4) 通帳の写し
- (5) その他中小企業庁が必要と認めた書類
事業復活支援金の必要書類とその書き方についてまとめた「事業復活支援金の申請に必要な書類は何?」もあわせてご覧ください。
まとめ
本コラムでは、コロナ禍で売上減少に陥った事業主を救済する目的で設立された事業復活支援金を紹介しました。
受付開始もいよいよ秒読み段階に入り、今後の動向に注目が集まっています。
補助金コンシェルでは、今後も事業復活支援金の最新情報をお届けしていきます!
【コロナによる売上減少でお悩みの方へ】事業復活支援金のご相談は株式会社リアリゼイションまで
事業復活支援金はコロナ禍を乗りきる切り札になる制度です。
売上減少に悩む事業者さまはぜひ申請をご検討ください。
とはいえ、
「申請書類を不備なく作成できるか不安」
「申請書類が作成する暇がない」
そんな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?
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