企業の新しいものづくりを支援してもらえるものづくり補助金。
ものづくり補助金は、2020年に創設されたばかりの、比較的新しい補助金です。
2021年は新型コロナウイルスに対応した”低感染リスク型ビジネス枠”が創設され、話題となりました。
そんなものづくり補助金ですが、現在は第9次申請受付中、そして第8次の採択結果の発表を控えています。
申請をされている方の中には「採択結果の発表はいつなんだろう?」とそわそわされている方が多いのではないでしょうか。
今回はものづくり補助金の採択結果はいつ発表されるのか、具体的いつどのようなスケジュールで申請が進んでいくのかなど、解説していきます。
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ものづくり補助金は、“ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金”の略称です。
中小企業が生産性向上を目標に革新的な新商品や新サービスの開発、新しい生産方式などを行う際に、その事業に必要な設備投資を支援してもらえる補助金です。
ものづくり補助金は、一般型、グローバル展開型、ビジネスモデル構築型にわかれていて、それぞれ対象の事業内容や補助額などが違ってきます。
そして令和2年度注目を集めたコロナ特別枠は終了し、今年度の令和3年は、新たにコロナウイルスに対応したビジネスモデルの転換を行う事業者に向けた “低感染リスク型ビジネス枠”が創設されました。
補助額は以下のとおりとなっています。
ものづくり補助金の活用のイメージ
事例1:生産機械製造業
・複数形状の餃子を製造可能な、餃子全自動製造機を開発
→海外での販売が好調で、餃子製造機において世界シェアトップに。
事例2:飲食業
・「食べられるクッキー生地のコーヒーカップ」の製造機械を導入し、生産効率が10倍に。
→女性客を中心に大ヒット。全国チェーン店でも流通。
先程も説明したように、ものづくり補助金には一般型、グローバル展開型、ビジネスモデル構築型の3つの類型があります。
この中のビジネスモデル構築型は現在公募が行われていませんので、今回は一般型とグローバル展開型について解説していきます。
一般型
一般型は、その名の通りものづくり補助金の基本の類型です。
他の類型の条件にあるグローバル展開や、ビジネスモデルの構築などを行わない一般的な類型ということですね。
一般型は、通常枠と特別枠の低感染リスク型ビジネス枠にわかれています。
この低感染リスク型ビジネス枠は、今後のコロナ社会に対応したビジネスモデルに転換する事業者が対象となります。
グローバル展開型
ものづくり補助金のグローバル展開型は、海外事業の拡大・強化などを目的とした革新的な製品・サービス開発または生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資などを支援してもらえます。
グローバル展開型には4つの類型があり、
(1)海外直接投資
(2)海外市場開拓
(3)インバウンド市場開拓
(4)海外事業者との共同事業
のいずれかの類型に合致するものが対象となります。
ものづくり補助金の対象者は、日本国内に本社および補助事業の実施場所をもつ中小企業者および特定非営利活動法人です。(グローバル展開型の(1)類型については、業実施場所が海外でも可)。
ものづくり補助金の対象要件
(1)発注・納入・検収・支払等のすべての事業の手続きが事業実施期間内に完了する事業であること。
(2)以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画を策定し、従業員に表明していること。
・事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加。
(被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加)
・事業計画期間において、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準にする。
・事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加。
(3)応募申請時点で補助事業の実施場所(工場や店舗など)を有していること。
(4)以下に同意の上、事業計画を策定・実行すること。
・申請時点で申請要件を満たす賃金引上げ計画を従業員に表明すること。
・財産処分や収益納付等も含め、補助金等の返還額の合計は補助金交付額を上限とする。
一般型・低感染リスク型ビジネス枠
◎補助対象経費全般が以下のいずれかの要件に合致する投資であること。
・物理的な対人接触を減じることに資する革新的な製品・サービスの開発
(例:AI・IoT等の技術を活用した遠隔操作や自動制御等の機能を有する製品開発(部品開発を含む)、オンラインビジネスへの転換等)
・物理的な対人接触を減じる製品・システムを購入した生産プロセス・サービス提供方法の改善
(例:ロボットシステムの導入によるプロセス改善、複数の店舗や施設に遠隔でサービスを提供するオペレーションセンターの構築等)
・ウィズコロナ、ポストコロナに対応したビジネスモデルへの抜本的な転換に係わる設備・システム投資(キャッシュレス端末や自動精算機、空調設備、検温機器など、ビジネスモデルの転換に対して大きな寄与が見込まれない機器の購入は、原則として、補助対象経費とならない)
グローバル展開型
◎以下のいずれか一つの類型の各条件を満たすこと。
(1)類型:海外直接投資
・国内事業と海外事業の双方を一体的に強化し、グローバルな製品・サービスの開発・提供体制を構築することで、国内拠点の生産性を高めるための事業であること。
・具体的には、国内に所在する本社を補助事業者とし、補助対象経費の2分の1以上が海外支店の補助対象経費となること、または海外子会社(半数以上の発行済株式の総数又は出資価格の総額の2分の1以上を補助事業者が所有している、国外に所在する会社)の事業活動に対する外注費(本補助金の補助対象経費の範囲に限る。一般管理費は含まない。事業実施に不可欠な開発・試作にかかる業務等を想定)もしくは貸与する機械装置・システム構築費(本補助金の補助対象経費の範囲に限る。)に充てられること。
・国内事業所においても、単価50万円(税抜き)以上の海外事業と一体的な機械装置等を取得(設備投資)すること。
・応募申請時に、海外子会社等の事業概要・財務諸表・株主構成が分かる資料、実績報告時に、海外子会社等との委託(貸与)契約書とその事業完了報告書を追加提出すること。
(2)類型:海外市場開拓
・国内に補助事業実施場所を有し、製品等の販売先の2分の1以上が海外顧客となり、計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る事業計画を有していること。
・応募申請時に、具体的な想定顧客が分かる海外市場調査報告書、実績報告時に、想定顧客による試作品等の性能評価報告書を追加提出すること。
(3)類型:インバウンド市場開拓
・国内に補助事業実施場所を有し、サービス等の販売先の2分の1以上が訪日外国人となり、計画期間中の補助事業の売上累計額が補助額を上回る事業計画を有していること。
・応募申請時に、具体的な想定顧客が分かるインバウンド市場調査報告書、実績報告時に、プロトタイプの仮説検証の報告書を追加提出すること。
(4)類型:海外事業者との共同事業
・国内に補助事業実施場所を有し、外国法人と行う共同研究・共同事業開発に伴う設備投資等であり、その成果物の権利(の一部)が補助事業者に帰属すること(外国法人の経費は、補助対象外)
・応募申請時に、共同研究契約書又は業務提携契約書(検討中の案を含む)、実績報告時に、当該契約の進捗が分かる成果報告書を追加提出すること。
ものづくり補助金は基本的に通年で公募しており、約3か月おきに締切とされています。
令和3年度は応募期間を約2か月、審査期間を約1か月として、6月・9月・12月・3月の四半期ごとに採択結果の発表が行われました。
申請期間や採択結果発表などのスケジュールはいつ、どのように進められていくのか、具体的なスケジュールは以下をご覧ください。
◎ものづくり補助金第8次・第9次の採択結果はいつ?
過去の発表予定日と実際の採択結果発表日はいつ?
ちなみに、発表前に予定されていた第7次の発表日予定と実際の発表日は以下のとおりでした。
◎予定されていた日程と実際の採択結果発表日はいつ?
- 第7次:9月末予定→9/27 17:00
- 第6次:6月末予定→6/29 17:00
- 第5次:3月末予定→3/31 17:00
- 第4次:2月中予定→2/18 17:00
今までは、○○月末予定に採択発表とされていた回が多かったようです。
参考までに、第4次では”2月中”予定とされており、実際の採択結果の発表は2/18。
第8次は”1月中旬”予定とあります。
具体的にいつ発表されるのか気になるところではありますが、過去の発表日を見ると、
第8次の採択結果は早くて1月10日~21日あたり、第9次については、3月末予定ですので、前回までの発表日どおりにいくと、早くて25日~31日までに発表されるのではないかと予測できますね。
発表の曜日はいつ?
発表の曜日はいつなのか。
曜日については、過去の結果を見ても定まっていません。
月の下旬の金曜日に発表されることが多いですが、月曜日、火曜日、木曜日に発表されていることもあり、いつの曜日なのかはっきりと定まっていないので、判断が難しいですね。
発表時間はいつ?
では採択結果が発表される時刻はいつなのでしょう。
第7次まですべて17:00に発表が行われてきました。
つまり、第8次、第9次についても17:00に発表される可能性が非常に高いです。
ただ、公式に「17:00に発表します」というアナウンスがあるわけではないので、第8次以降発表時間が変わる可能性も十分ありえます。
現在すでに発表されている第7次締切までの採択結果は以下のとおりです。
締切回 | 応募件数 | 採択件数 | 採択率 |
---|---|---|---|
1次 | 2,287件 | 1,429件 | 約62% |
2次 | 5,721件 | 3,267件 | 約57% |
3次 | 6,923件 | 2,637件 | 約38% |
4次 | 10,319件 | 3,178件 | 約31% |
5次 | 5,299件 | 2,337件 | 約44% |
6次 | 4,980件 | 2,362件 | 約47% |
7次 | 5,507件 | 2,768件 | 約50% |
1次の採択結果は、約62%。
2次、3次と回を増すごとに徐々に採択率が下がってきています。
さらに4次では応募数は10,319件。
1次と比べると、なんと5倍ほどの応募数となります。
これは、前回の特別枠である”コロナ特別枠”がこの回で終了したことにより、応募が殺到したと考えられます。
一方で、第5次以降は、応募件数は半分ほどに下がり、令和3年度の公募分では採択率も徐々に上がってきています。
※第5次よりコロナ対応の特別枠、「低感染リスク型ビジネス枠」が新設されています。
まとめ
今回はものづくり補助金の採択結果の発表はいつごろなのか、お話ししました。
第8次の採択結果は1月中旬、第9次の採択結果は3月末を予定されています。
ものづくり補助金は、令和2年度に特別枠として新設された”低感染リスク型ビジネス枠”は、現在申請受付中の第9次で終了となります。
この特別枠に申請された方は、採択結果が発表されるまで、「いつ採択結果が出るのだろうか」と落ち着かない気持ちを持たれているのではないでしょうか。
また、ものづくり補助金は令和3年度の補正予算案で、業況が厳しい中で賃上げ等に取り組む中小企業向けに新たな特別枠が創設され、優先採択および補助率や補助上限額の引上げがされるとの発表がされており、令和4年度以降も注目の補助金となりそうです。
また、ものづくり補助金について新しい情報がありましたら、本コラムにてご紹介していきます。
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