「複数の補助金を併用して、受給することはできるの?」
という質問をよく耳にします。
まず、結論から言うと、
対象となる経費が異なる別の事業であれば、併用が可能とされている補助金は多数あります。
ただし、これはすべての補助金に当てはまるのではなく、併用が可能かどうかは、各補助金によって規定が異なります。
では今回は、補助金の併用について、詳しく説明していきます。
1. 補助金とは?
冒頭でもお伝えしましたが、補助金の併用が可能かどうかは、各補助金によって規定が異なります。
中小企業庁が全国の中小企業を対象に扱う「小規模事業者持続化補助金、事業再構築補助金、IT導入補助金」などは、補助金の併用を一部認めています。
各補助金の公式ウェブサイトのよくある質問の中で、「他の補助事業との併用は可能か。」の質問に対し、いずれも「同一の事業での併用は不可。ただし、内容が異なる別の事業であれば併用は可能」といった旨の回答が記載されています。
以下、それぞれの補助金の公式ウェブサイトに記載されていた内容です。
内容が異なる別の事業であれば、同じ事業者が異なる補助金を受けることは可能です。
ただし、同一事業で複数の国の補助金を受けることはできません。
同一の事業者が同一の事業内容について、本制度以外の国の補助事業と併用することはできません。なお、地方自 治体等の国以外の機関が、国から受けた補助金等の特定財源を原資として交付・実施する場合を含みます。 (例:他の国の補助事業で計上している対象経費を、小規模事業者持続化補助金の補助対象経費にも計上するな ど) 地方自治体等が実施している補助事業が、国から受けた補助金等の特定財源を原資としているかどうかについては 地方自治体等にご確認ください。
国の他の助成金・補助金との併用は不可です。 ただし、補助対象となる事業内容(サービス・ソフトウェア、経費等)が重複しない場合は申請が可能です。
計画している同じ事業で複数の補助金の受給は出来ないが、別の事業での申請であれば補助金の併用は可能、もしくは不可ではない。ということですね。
2. 補助金の併用の例
たとえば、補助額の高い補助金事業再構築補助金と、ものづくり補助金を併用すると高額な補助額を受けることが可能となります。
この2つを併用できる例として以下のようなケースが考えられます。
併用が可能と予想される例
アパレルショップを運営しているが、コロナの影響で売上が大きく減少。
売上拡大を狙い、ネット販売事業と新商品の開発に取り組む計画を策定。
ネット販売事業に事業再構築補助金を使い、新商品の開発にものづくり補助金を使う。
こういった併用の方法ですと、「同一の事業で2つの補助金の活用」を避けることができますよね。
ただ、補助金自体、厳しい審査にかけられたうえで採択されるものですので、必ずしも2つを併用して受給できるものではありませんので、注意が必要です。
3. 同一事業で複数の補助金の併用はできない
補助金によって、同一事業で他の補助金と併用することは禁止されているとお話しました。
これは、たとえばAの補助金で申請している事業(取組)で購入する設備と、同じ設備の購入を目的に、Bの補助金で受給することはできないということです。
基本的には、「同じ使用目的である設備に対して、2つの補助金を受け取ることはできない」ということを覚えておいてください。
4.まとめ
補助金をうまく併用することで、補助される額がさらに大きくなります。
それにより、事業拡大や売上促進などの更なるチャンスとなります。
ただ、補助金というのは、申請すれば必ずしも受け取れるものではありません。
自社の場合は、どんな補助金が向いているのか、どんな補助金が併用できるのか、しっかり判断して補助金を活用する必要がありますね。